西武のルーキー源田壮亮内野手(24)が、レジェンド左腕から勉強した。

 3-4と1点を追う8回。通算933試合目の登板となる中日岩瀬仁紀投手(42)から、先頭打者として四球を選んで出塁した。続く秋山の打席、6球目と7球目の間に一塁けん制が来た。「行っていい」というグリーンライトのサインが出ていた。二塁へスタートを切り、一塁手から転送された球で二塁タッチアウトの盗塁死となった。

 辻監督は「行っていいのサインで、あいつに任せてるから。こっちはサインを出しているので(今後)消極的になる必要はない。いろんなところを見て走ったのだろう。ディスボール(この球で必ず走れのサイン)ではないから、そこは頭に入れて、反省するところはして。1点負けてて走るのは難しいよ。これからもドンドン走ってほしい」。源田を責めることはなく、むしろ、勇気を持って走ったことに感心しているかのような口調で話した。

 源田は試合後、辻監督から直接、話をされたという。「反省しつつ。あまり言えませんけど、いろいろと感じるところはあります。監督からも(今後消極的になるなと)声をかけてもらいました」。穏やかな表情でバスに乗り込んだ。

 源田の二盗失敗が同点機をつぶしたことは事実だが、18日現在で12球団盗塁数2位(18盗塁)の走者が挑戦した結果だ。岩瀬は投球までボールを保持するタイミングを変えたり、けん制を投げずにプレートを外したりと、新人走者を揺さぶってきた。こうした経験を積むことが、源田のさらなる成長につながるはずだ。

 橋上秀樹野手総合コーチ(51)は「これを勉強として、次に生かしてくれればいい」と話した。若者が失敗から学び、今後成長する姿を楽しみしているような口調だった。