ソフトバンク交流戦勝率1位の陰の立役者はプロ7年目の甲斐だ。右手中指を骨折した高谷の穴を埋め、主戦捕手として交流戦18試合中14試合で先発。「高谷さんがいなくなって、それで負けたとは言われたくなかった。今日は普段以上に緊張したが勝ててよかった」と、胸をなで下ろした。

 交流戦では3度の盗塁を許してしまったが、球界屈指の強肩が武器。首脳陣は次世代の捕手として育成するため、千賀、東浜の女房役を任命。そのチャンスで結果を残し、出場機会を増やした。交流戦では、変化球に強いセ・リーグの打者を考慮し、カード初戦に直球を多く投げさせて相手に残像を残すなど、パ・リーグ打者とは違った配球で勝ち星を重ねた。

 清水バッテリーコーチは「視野が広がり、野手にどこを守らせ、どのボールで打ち取るかというイメージができるようになってきた」と評価。工藤監督も「(リード面で)僕に怒られても答えを出し、一生懸命(ボールを)止めて、盗塁も防いでくれた。彼の成長はチームにとってもプラス」とたたえた男は、2回にV打を放ってみせた。