泣き虫ジャイアンツで反攻に出る。4位巨人は22日、リーグ再開初戦となる今日23日の中日戦に向け、試合会場の東京ドームで全体練習を行った。交流戦では球団史上ワーストの13連敗もあったが、ラスト6戦は5勝1敗。14日ソフトバンク戦では山口俊が、18日ロッテ戦では亀井が、勝利への執念が実って涙を流した。主将の坂本勇人内野手(28)は劇的な試合を重ねていき、上位進出への勢いをつけると誓った。

 巨人ナインに活気が戻ってきた。全体練習のシートノックでは、大きな声が東京ドームに響いた。交流戦の最後を3連勝でフィニッシュし、歴史的連敗で陥ったどん底からは脱しつつある。高橋監督も「先週のような試合ができれば」と、好気配を感じ取っている。

 流した涙の分だけ、巨人は強くなっていく。連敗を13で止めた9日の日本ハム戦後、スタッフの目からも自然に涙があふれ出していた。14日には移籍後初登板で初勝利を手にした山口俊が、お立ち台で男泣き。18日にはサヨナラ逆転3ランの亀井が泣きじゃくりながらダイヤモンドを一周し、コーチやスタッフも目を真っ赤にした。各自が真剣に、本気で勝負に挑んだからこそ心が震え、人目もはばからず涙がほおを伝った。それほどの情熱や執念でつかんだ勝利の積み重ねが、チームの暗雲を払いのけた。