ロッテの“中飛車打線”がオリックスを粉砕した。今季最多16安打で9得点。伊東監督は「今まで打てなかった分、爆発した。明日に取っておきたいぐらい」と冗舌だった。

 前日の練習日。伊東監督は、28連勝を達成した最年少プロ棋士の藤井四段ばりに「攻める」と宣言していた。子供の頃は将棋好きだった同監督の得意技は、飛車を5筋に振る中飛車で攻めること。「将棋のような戦法を考える」と編み出したのが、「6番DHペーニャ」だ。移籍初戦だった18日巨人戦は5番に置き、4打席凡退。「(4番パラデスと)1人、間に入れた方がいい」と、この日は、あえて下位に据えた。

 初回から的中した。1死一、二塁でパラデスは二ゴロに倒れたが、一、三塁とした。すると5番角中が右前に落とす先制打。6番ペーニャが左前適時打で続いた。ペーニャは4回に二塁打、9回は押し出し死球。存在感たっぷりで「勝利に貢献できた」と喜んだ。

 交流戦は5連敗で終わり、借金は25まで増えた。再スタートの初戦を快勝。伊東監督は「初回から良い形で先制できた。ペーニャを固定できれば重みが出る。ジミー(パラデス)も振れてきた」。軸が定まった。ここから、勝ちを重ねていく。【古川真弥】