西武が逆転サヨナラ負けを喫した。1点リードの9回2死一塁、抑えの増田が伏兵福田に2ランを浴びた。3連続直球で2ボール1ストライクとし、甘く入った変化球を右翼席に運ばれた。「申し訳ない。先発が頑張ってきて、最後にサヨナラを打たれるのは。自分の役割はチームが最後勝てるように投げるだけ。打たれないように投げてますけど」と声を絞り出した。

 辻監督は配球に首をひねった。「何であそこでスライダーなのか。2死を取って、安打はいいところで。あそこでスライダーの意味が分からない」。勝負球は別としてカウントを取る球は、長打を避けるために変化球でなく威力ある直球で押すべきという意見だ。

 捕手の炭谷は、スライダーではなくカーブを要求したと明かした。「(福田は)やり系の打者。タイミングを外すことと、長谷川さんの時にいい縦割れだった。今年はあまり投げてなかったが、打ち取れると思った」。「やり」とは球界の隠語で、直球に強い打者を刺す。

 4点差の逆転負けは今季初めて。増田、シュリッター、牧田と勝ちパターンの救援3人がそろって失点したのも今季初。試合前の救援防御率はリーグ2位の2・72だったが、珍しく踏ん張りきれなかった。【斎藤直樹】