楽天銀次内野手(29)が復調気配だ。交流戦で打率2割3分3厘と湿っていたバットが、この日は2安打2打点と好調。初回に中犠飛を放つと、5回には中押しの左前適時打をマークし、先発岸孝之投手(32)の6勝目をアシストした。日本ハムに6-0と完勝し、首位キープ。30日からのソフトバンク3連戦へ向け、銀次がキーマンに躍り出る。

 銀次の巧打がチームを2連勝に導いた。初回、2点を入れてなお1死三塁。日本ハム浦野の初球、高めの108キロカーブを捉え、中堅へ犠飛を放った。「高いボールがきたので完全に外野フライを狙いにいった」と振り返った。梨田昌孝監督(63)は「初回にうまく3点とれたね」と褒めた。

 これで勢いに乗ると、3-0の5回2死一、三塁の場面では貴重な中押し打を放った。左腕公文の143キロ外角直球をきれいにさばき、逆方向へ運んだ。今季63試合目の出場で22度目のマルチ安打をマークし、復調を印象づけた。

 交流戦に入る前は、全42試合出場で158打数50安打、打率3割1分6厘だったが、交流戦期間は全18試合で60打数14安打、打率2割3分3厘と沈んだ。チームが好調だったこともあり、「状態は悪くはない。素直な打撃ができている。外の球は外にしっかり打つ。中の球は踏み込んで打ちに行けている」と気にしていない。最近は、スタンスを通常より少し「がに股」にして結果を出している。「自分の体を生かした打撃が出来ている。足を閉じて打ったら自分の良さが出ない」と自信を見せた。この3連戦は5安打3打点と調子が戻ってきた。

 30日からは、2位ソフトバンクとの首位攻防3連戦が控える。「今日は大きい。しっかり点を取れるときにとっておくのが野球。そういう野球をしていけば勝てる」。助っ人トリオの後を任される5番銀次が、力強く言い切った。【高橋洋平】