阪神が17年ワーストを更新する6連敗を喫した。今季初めて福留孝介外野手(40)を4番から5番に下げ、4番に原口文仁捕手(25)を起用。だが福留はてんびんのように構える新打法も無安打。金本知憲監督(49)も2回に捨て身のエンドランを敢行したが、作戦は失敗に終わった。新打線は空転し、33イニング連続適時打なしで6度目の完封負け。振り向けば3位DeNAが3・5差に迫ってきた。

 金本阪神が貧打の泥沼から抜け出せない。もがき苦しむ姿を象徴したのは、2回の攻撃だ。1死一、三塁で梅野が打席に立った。カウント1-1からの3球目。2人の走者がスタートを切った。しかし梅野は内角スライダーに空振り。三塁走者の福留が挟殺プレーでタッチアウト。先制のチャンスが一気にしぼみ、無得点に終わった。この場面、序盤では異例とも言える作戦だった。

 高代ヘッドコーチ エンドランだ。空振りしたらアカン。バッターが悪い。

 梅野 空振りは良くない…。

 中日の内野陣は併殺を狙った守備陣形。ゴロを転がせば、1点は確実に入っていた。金本監督は「細かいことは言えないけど、ストライクは当てないと。あそこは、それだけです」と振り返った。試合はまだ2回。エンドランをかけ、三塁走者を走らせなければならないほど、事態は切迫している。これで33イニング連続、タイムリーがない。

 作戦面だけでなく、指揮官は打順編成でも動いた。不振にあえぐ福留が今季の主将就任後、初めて4番を外れ、原口に譲った。金本監督は「(投手の)右左もあるし、孝介を楽にしてあげようかと」と理由を説明した。福留もタイミングを取りやすくするため、全打席バスターの構えで打ちにいくなど、必死で局面打開に挑んだ。だが、2四球を選んだが、9回の大飛球も外野手の頭を越えずに無安打。ここ20試合は2打点で、問いかけに無言を貫いた主軸の苦悩は、打線の停滞と重なっている。

 策はいずれも空転した。完封負けは今季6度目だが、ここ5試合で3度目と貧打が際立つ。金本監督は今が打線の「底」と言う。我慢しかない。試合後は努めて冷静だった。「選手は何とかしようという気は持ってくれているから」。信じて待つスタイルは崩さない。6連敗で、今季初の月間負け越しが決定した。そして3位DeNAが3・5ゲーム差で接近。広島の背中が遠のき、背後から足音が聞こえる。上昇気流に乗るきっかけがほしい。【田口真一郎】

 ▼阪神が今季最長の連敗を6に伸ばした。完封負けは6度目で、巨人の7度に次ぎセ・リーグでは2番目に多い(ヤクルトも6度)。このうち0-1での敗戦は、12球団最多の4度。これで6月は8勝12敗となり、今季初の月間負け越しが決まった。

 ▼今季ナゴヤドームでは、4月18日の初戦に勝って以降3連敗。4試合のチーム打率は2割8厘、他球場通算の2割4分4厘から下降。例年通りの苦闘が続く。