阪神金本知憲監督(49)の我慢が限界に達した。虎は甲子園に戻ってのヤクルト戦にも敗れ、金本阪神になって最悪の8連敗。首位広島が勝って、ゲーム差は優勝への「デッドライン」とされる6・5から7・5に開いた。指揮官は怒りをにじませ、5回1死二塁の好機に遊飛の中谷に「何でも許されるのでは、彼のためにもならない」と厳しい言葉を投げかけた。試合前には新外国人候補ジェイソン・ロジャース内野手(29=パイレーツ3A)について「早く来てほしい」と語って待望する心境を明かした。

 ゼロ行進に終止符を打った。タイムリー欠乏症からも脱した。それでも、1点が届かない。本拠地に帰っても、白星は手にできなかった。金本政権下でワーストとなる8連敗を喫した。引き分けを挟まず、8戦連続で敗れるのは07年9月以来10年ぶり。広島に7・5ゲーム差をつけられた。球団史上前例のない逆転優勝に臨むことになる。ついにデッドラインを越えてしまった。

 ナインの前を向く姿勢を信じてきた指揮官だが、堪忍袋の緒が切れた。やり玉に挙げたのは中谷だ。場面は5回。4番福留のタイムリーで2点差に迫り、なおも1死二塁。ここで2ボールから高めのボール球を打ち上げてしまう。遊撃への凡フライに終わった。

 「あそこでボール球を振るようではね。状況とか試合の流れとか空気感とか、もうそろそろやってくれないと。今までは若いから許された部分はあるかもしれないが、若いといっても、もう何百打席立っているのか。そういうところの厳しさも出していかないと。何でも許されるのでは、彼のためにもならない」

 過去にも状況に応じた打撃ができないことに苦言を呈してきた。それでもチャンスは与えてきた。変わらない姿に怒りをにじませた。

 くしくも試合前に、指揮官は若手の現状を嘆いていた。打線の低迷により、新外国人ロジャースの獲得に動いた。この話題に思わずつぶやいた。「早よ、来てほしいわ。変わり目がほしいよね」。新戦力のポジションは一塁固定になる見通し。中谷や原口が先発で出るためには、これまで以上のアピールが必要になる。金本監督はこう続けた。「原口とか中谷、北條あたりが2割8分から3割、10本くらい打っていたら、現場もフロントも外国人を取ろうとはしていないわけだから。これまで、チャンスは死ぬほど与えた。去年から言っているように、いつまでもチャンスはない」。機会を与えるだけが育成ではない。ロジャースに期待せざるを得ない現状が苦境を物語っている。【田口真一郎】