阪神ドラフト2位の小野泰己投手(23)は7度目の先発でも初勝利をつかめなかった。6回9安打3失点で5敗目。球団の新人の開幕5連敗は88年野田浩司以来、29年ぶりの屈辱だ。

 立ち上がりに苦しんだ。1回にヒット4本を集中され、いきなり2失点。自慢の真っすぐを巨人打線に狙い球にされた。5回にも阿部の適時打で1失点。前回同様に6回までは投げきったが、ヒット9本を許すなどリズム良く投げきれなかった。「もっと変化球でカウントが取れれば、楽な投球ができたと思う。高めの球だとしっかりとはじき返され、ヒットにされた」と悔しさをにじませた。

 プロ初白星が遠い。それでも6回3失点以下のクオリティー・スタートを3試合連続で達成した。三振は4つだったが、併殺打は3つ。粘りの投球も光った。 ただ金本監督は配球に苦言を呈した。「(巨人は)チームとしてまっすぐをとらえて、変化球は少々、空振りしてもいいというスタイルだったからね。いち早く気づいて、配球の仕方とかね。きっちり向こうの打線もとらえましたからね」。坂本も含めたバッテリー間の工夫を求めた。

 香田投手コーチも「勝負球なのかカウントを取る球なのかボールに意味を持って勉強してほしい。捕手のサインにうなずくんではなくて、もう少しレベル上げてほしい」と指摘。制球面が改善されたからこそ、もう1段階上のレベルを求めた。試合を重ねるごとに首脳陣の評価や求めるレベルは上がっている。新たな課題を克服し、次回こそ白星を挙げたい。【山川智之】

 ▼ルーキー小野が黒星を喫し、これで開幕から白星なしの5連敗。新人の開幕5連敗以上は昨年の小笠原(中日)以来で、阪神では66年久野(6連敗)88年野田に次いで29年ぶり3人目。