球宴ならではだった。4回、ソフトバンク・デスパイネの第2打席。スタンドからは「ラララ、ラーララ」とロッテ時代の応援歌が流れてきた。「久しぶりに聞けて、覚えてくれていてうれしかった。すごくテンションが上がったね」と本人の耳にもしっかり届いていた。秋山の143キロ高め直球をライナーでバックスクリーンに突き刺す125メートル同点弾。「ファンのみんなに喜んでもらえるような強い打球を飛ばしたいという気持ちだった」。古巣ZOZOマリンスタジアムの大歓声をじっくり味わうために、ゆっくりとダイヤモンドをまわった。お立ち台ではロッテ時代の決めぜりふ「デスパ、イイネ~」と叫んだ。

 来日4年目で球宴は初出場。前日14日の第1戦は7回に代打で右前へ適時打。この日も本塁打を含む3安打で2試合5打数4安打と大当たりだ。「初めてだけど、すごく楽しんでいるよ」と、他球団の選手と触れ合い、祭りの雰囲気を心から楽しんだ。第1戦の内川、フレッシュ球宴の曽根とソフトバンク勢が今季の球宴MVPを総取りした。

 明日17日からは再びリーグ戦が再開する。「自分の中では絶好調。この調子を持ち続けてチームに貢献したい」。今季すでに21本塁打。来日1年目の自己最多24本塁打を超えるペースで本塁打を量産。「ソフトバンクはもともと強い。今年もいい戦いをしている」。来日して初めて味わうV争い。首位楽天をとらえるためにもデスパイネのバットが後半戦のカギを握る。【石橋隆雄】

 ▼4番のデスパイネが本塁打を含む3安打。球宴の初4番試合で猛打賞は65年<3>戦江藤(中日)14年<1>戦エルドレッド(広島)に次いで3人目。1発を含む猛打賞はエルドレッドに次いで2人目だ。初出場だったデスパイネは<1>戦右安、<2>戦右安、中本、中安、一飛。球宴初打席から4打席連続安打は、08年内川(横浜)が5打席連続安打して以来2人目で、外国人選手では初めてになる。