ベンチもナインを後押しした。6回、マイコラスが1点を返された直後だった。なお1死一、二塁のピンチで、2軍監督から配置転換となって初戦の斎藤投手コーチがマウンドに向かった。「リラックスして相手に向かっていく気持ちを出していこう」。感情の起伏が激しい助っ人右腕を絶妙な話術でコントロールした。「緊張した! (マイコラスは)最高です。西村も0点で抑えたことが大きい。明日につながる」と声を張り上げてうなずいた。

 斎藤コーチは試合前練習中も、チームの雰囲気を和ませた。三塁側ファウルゾーンで投手ノックの捕手役を務めた際、後方でティー打撃を行っていた江藤打撃コーチに「久しぶりにボールを捕るから気をつけてくださいね!」と声を掛けて笑いを振りまくなど、抜群の存在感でチームを盛り上げた。

 個々の活力が、集合体となって活気と明るさを生んだ。高橋監督は「(長野の1発は)ベンチが活気づいた。スタートして最高の形。(小林の打点は)ヒットは出なかったけど大きな1点。チームにとって大きなバッティングだった」とたたえた。巻き返しへの希望がつまった価値ある1勝。「アゲ♂アゲ♂GIANTS」の猛追が始まる。【為田聡史】