新たな歴史の扉をこじ開けた。楽天先発の岸孝之投手(32)が、7回1安打無失点の好投で今季8勝目を挙げた。防御率も両リーグトップとなる1・95に伸ばし、チームを今季初の6連勝に導いた。貯金も日本一となった13年の「27」を抜き、球団最多の「28」とした。後半戦2連勝と、勢いは止まらない。

 岸は、フーッと息を吐いた。序盤に見せたクールな表情は、そこにない。額には、大量の汗が噴き出ている。帽子を取り、拭った。打席には、大谷だ。この日、3度目の対戦は2点リードの7回2死一塁で巡ってきた。2球連続で投じたチェンジアップで追い込んだが、簡単にアウトが取れない。汗を再度、拭った。フルカウントからの7球目、外角チェンジアップで左飛に片付けた。「ゲームを壊さないことを意識している。その結果が0で良かった」とホッとした表情を浮かべた。

 好投を物語る、立ち上がりだった。初回先頭から3者連続三振と圧倒的だった。コースの四隅を徹底的に突いた。140キロ台の直球を見せ、同じ腕の振りのカーブ、チェンジアップでタイミングを外した。7回まで毎回の奪三振で、2年連続の100奪三振をマークした。わずか被安打「1」の内容で、7回を無失点に抑えた。防御率も両リーグトップの「1・95」に伸ばし、チームを今季初の6連勝に導いた。貯金はヤンキース田中を擁し、日本一となった13年の「27」を超え球団新の「28」となった。「あまり気にしていないけど、貢献できていることはうれしい」と笑った。