広島九里亜蓮投手(25)が28日からのヤクルト3連戦(マツダスタジアム)に先発登板することが24日、決定的になった。エース格のクリス・ジョンソン投手(32)が左ハムストリングスの筋損傷で加療3週間と診断されて離脱。ロングリリーフとしてフル回転していた九里に白羽の矢が立った。夫人への感謝の思いを込め、今季11度目の先発マウンドに立つ。

 鉄腕が満を持して先発マウンドに立つ。ジョンソンのアクシデントで回ってきたチャンスを、逃すつもりはない。24日にマツダスタジアムで行われた投手練習には姿を現さなかったが、28日からのヤクルト3連戦で先発することが決定的となった。この日までに畝投手コーチは「いろいろ考えている。(九里も)あるかもしれんな」と話していた。

 今季は開幕ローテをつかみ取るも、6月2日ロッテ戦(マツダスタジアム)を最後に中継ぎに転向。連投やイニングまたぎをこなす鉄腕としてチームを支えてきた。救援で登板した13試合のうち、9試合で2イニング以上を投げた。前回登板となった21日中日戦(マツダスタジアム)では2回1/3で降板したジョンソンの後を受けて4回2/3を投げた。2失点したものの試合をつくり、緒方監督も「試合を壊さずに投げきってくれた」と評価していた。

 九里は夫人への感謝の思いを持ってマウンドに上がる。「妻が僕のことを第一に考えてくれているから」と言う。中継ぎと先発で食卓に並ぶメニューが違う。中継ぎでは「疲れが取れやすい食材を中心に献立を組んでくれる」。先発なら「登板日に合わせてメニューを変えてくれる」と明かす。「独身だったらもう2軍にいると思う」と正直に言う。

 ヤクルト戦は今季4試合に登板。2試合が先発で、4月9日には7回2失点で白星をマークしている。「もし先発になっても、これまでも先発のつもりで入っていっていたので、イメージはできると思う」と力強い。ジョンソン離脱はチームにとって危機だが、九里にとってはこれ以上ないチャンスが回って来た形になる。持ち味の気迫と強気で、チームに貢献する。