ヤクルトから日本ハムにトレード移籍した杉浦稔大投手(25)が26日、ロッテ戦が行われた故郷の帯広で入団会見を行った。車で約10分の実家から、縁のある帯広の森野球場に足を踏み入れた。背番号57。「生まれ育った場所で入団会見をしてくれた球団の心遣いに感謝したいです。両球団にチャンスをいただいたと思って、前向きに頑張っていきたいです」。年に1度の道東開催と重なり、運命的な再出発になった。

 4月下旬に発症した右肩痛は、いまも完治していない。投球練習再開のメドも立っておらず、30メートルほどの距離でキャッチボールをしているリハビリ段階。だが栗山監督は「体が万全に戻れば、どのくらいの球を投げるのかは把握している。スケールの大きな先発投手をつくっていかなければいけない」。来季以降を見据え、先発ローテーションの一角として期待した。

 元テレビ東京アナウンサー・あさ美夫人も北海道出身。杉浦とともに、報道で先にトレードを知ったというが「北海道でよかったね」と声をかけられた。まずは2軍の千葉・鎌ケ谷でリハビリに励むことになるが「将来的には北海道に拠点を置くことを目標にやっていきたいです」。

 帯広大谷から国学院大を経てドラフト1位入団のヤクルトでは、4年間で6勝止まり。新天地での飛躍を誓う。「一番自信を持っているのは直球。ケガを治して、武器である直球を磨いていきたいです。僕も少しでも北海道に貢献したい」。道産子・杉浦の野球人生第2章が、幕を開ける。【本間翼】

<杉浦 一問一答>

 -トレードを聞いたときの心境

 ニュースが出て、親から電話が来て知りました。びっくりでしたね。相手が日本ハムで、地元の友達や周りの人たちが歓迎してくれた。ヤクルトに対しては、感謝の気持ちと、成績を残せなかった申し訳なさ、悔しさはあるけど、ファイターズで力になりたいと思います。

 -日本ハムの印象

 地元出身ですし、小さい頃から見てきました。ファンを大切にする球団という印象が強いです。

 -楽しみは

 大谷選手は、年下ですけど、あれだけの選手ですし、一緒にやれるのは光栄です。矢野さんは(国学院大の)先輩ですので、楽しみです。

 -リーグが変わる

 パ・リーグの印象は、DH制があって、強打者が多い。投手は大変だと思います。でもセ・リーグと違って打席がまわってこないので、先発であれば、自分の投球をして、長いイニングを投げられるチャンスがあるということだと思う。

 -実家には昨日(25日)泊まった

 お正月以来でした。独特の雰囲気というか、久しぶりの感じはしなかったです。(親は)1軍で投げる試合は、これまでより見に来られると思うので、喜んでいました。(帯広の森野球場は)小学校から高校まで使っていた球場。プロ野球を最初に見たのもこの球場です。高校2年のときに、初めて夏の大会で北北海道大会に出た。地区を勝ち抜いたときに、最後リリーフで投げました。自分の代のことよりも、そっちの方をよく覚えています。