5月22日に左肘のクリーニング手術を受けたソフトバンク和田毅投手(36)が28日、驚異的な回復ぶりをヤフオクドームのブルペンで披露した。工藤監督ら首脳陣が見守る前で変化球も交え50球。工藤監督は「びっくりするくらい。試合前のブルペン投球みたいだった。よくここまで戻ってきた。彼の努力に敬服します」と大きな目をさらに丸くして驚き、佐藤投手コーチも倉野投手統括コーチも「想像以上」と声をそろえた。8月下旬の1軍復帰がはっきりと見えてきた。

 術後4度目のブルペンだったが、和田も「今年一番よかった。左肘の怖さもまったくない」と手応え十分だ。明日30日にもブルペン入りし60球投げる予定。来週には打撃投手などを行い、8月中旬にはファームで実戦に入る予定だ。

 当初の見立てより、復帰が1、2週間早まりそうだが、無理はしていない。「大事な時期に戦力となる球を投げないといけない。最後まで戦力にならないと」。15勝の昨季は終盤に離脱。今季はわずか2勝で、終盤の勝負どころで力を発揮したいという思いが強い。

 この日リハビリ組が休みだったこともあり、自ら1軍の投手練習に参加し、ブルペン入りした。工藤監督は「いい形で戻ってきてくれれば、実績からも即ということになる」と、状態さえ戻れば即1軍復帰させる考えだ。千賀、武田は故障明け、今季台頭の石川、松本裕は未知数。そんな先発陣の中に経験豊富な左腕エースが万全で帰ってくれば、V奪回へこれ以上心強い存在はない。【石橋隆雄】