オリックスが今季最多タイ4発の派手なアーチ攻勢でようやく後半戦初白星を挙げ、連敗を8で止めた。ここまで1勝11敗1分けと負け続けた楽天戦の連敗も8でストップ。球宴後はすべてビジターで全敗したが、準ホームの神戸に戻って首位相手に打ち勝った。球宴を挟んで16日ぶりの白星。福良監督も「とりあえず、良かった。野手が頑張った」とひと息ついた。

 中でもロメロは来日2度目の2発。そして4打点と大暴れだ。2回は左越えに10試合ぶり17号ソロ。5回は5点差に広げる3ランを左中間へ。「甘い球をしっかりととらえることができた。どんなスポーツでも勝つのはうれしいこと」。8連敗中は打率1割8分8厘で本塁打もなし。4番とともに打線もお目覚めだ。

 試合直前のルーティンがある。ロッカー室でイヤホンを通し、静かに時間を過ごす。聴くのは音楽ではない。「メンタルを集中させる声を聞いているようです」と関係者。そうやって精神を研ぎ澄ます。ロメロ自身も「メンタルを高めていけば、技術的な部分はおのずと上がっていく」と課題を話す。どっしりとした姿は主砲にふさわしい。

 2点差に迫られた7回には中島が5号満塁弾で突き放した。西武時代の11年5月以来のグランドスラム。「久しぶりなのでうれしい。流れが向こうにいかないようにと思った」。9日の試合前には鉄パイプ落下事故の被害者に。それ以降の初アーチで元気な姿をアピールした。チーム11得点も今季最多タイ。最近4試合の適時打なしが課題として残ったが、ここから巻き返しを図る。【大池和幸】

 ▼オリックス金子が5失点ながら8勝目を挙げ、通算112勝でチーム歴代10位の山沖に並んだ。