下位が打って、下位たたきを締めた。西武が同点の3回に7番外崎、8番炭谷、9番金子侑の3者連続適時打などで一挙6点を奪い快勝。7月の4位以下との対戦は5カード連続で3タテを食らわせた。上位2強とは7ゲーム差あるが、辻発彦監督(58)は「上がかすかに見えてきた。来週は1位、2位との対戦。この調子で頑張ってもらいたい」と手応えを示した。

 投打がかみ合い、11年9月以来の9連勝。指揮官は打線好調の要因に「少しずつ、打席での意思が見えてきた」と選手の成長を挙げる。象徴的だったのは前夜ロッテ戦。1点リードの6回無死二塁で、浅村が進塁打狙いの右打ちで走者を進めた。サインではなく主将の自己判断。「追加点がほしい場面。(相手先発の)二木に合っていなかったのもあって、1死三塁にしてつないだ方がいいと考えた。今年からキャプテンを任させてもらっている。自分がやることで周りにも感じてもらえることがあるかもしれない」と振り返った。

 3回の6得点は、そんな意思の積み重ねだった。秋山、中村はともに7球粘っての四球で出塁。カウント1-2から中前適時打を放った炭谷は「追い込まれたので、センター中心の基本を再度心掛けた」とうなずいた。勝つために、状況に応じて何ができるか。一気呵成(かせい)の攻撃は各自の意識が下地となった。

 8月1日からは楽天、ソフトバンクと6連戦。辻監督は「1点を何が何でも取りにいかないといけない場面が必ずくる」と引き締めた。下位だけに強いわけにはいかない。破壊力抜群の“考える打線”で、2強もたたく。【佐竹実】

 ▼西武が21日日本ハム戦から9連勝。西武の9連勝以上は11年9月に10連勝して以来、6年ぶり。3位の西武は今月3日から16勝5敗となったが、この間の勝敗を対Aクラス(楽、ソ)と対Bクラス(オ、日、ロ)に分けて出すと、対Aクラス○●●●●●、対Bクラス○○○○○○○○○○○○○○○。これで下位3球団には5カード続けて3連戦3連勝の15連勝だ。8月1日からは楽天、ソフトバンクと6連戦になるが、連勝を伸ばすことができるか。