中日岩瀬仁紀投手(42)が、歴代最多949試合登板を達成した。プロ19年目で米田哲也が持つ日本記録に並んだ。

 ◆谷繁元信氏(中日在籍の02年から16年まで同僚、監督としてプレー)の話 岩瀬は何がすごいのか? 即答に苦しむところに、逆にすごみがある。

 ずっと間近で見てきたからよく分かる。どんな状態でも常に同じリズムで毎日の準備をして、ゲームに入る。言葉にすると簡単だが非常に根気のいる難しい作業で、日々の積み重ねの結果が最多登板記録だと考えると、重みも違ってくる。

 本人からすれば、全盛期と比べれば納得いくボールを投げられていないジレンマがあるだろう。ただ岩瀬には、探求心という、継続力と同じくらい優れた資質がある。年齢には逆らえない。ならば、今の力でどう抑えるか。調子が悪いなりにどう抑えるか。その都度研究し、しっかり考え消化してきたから技術や調整の引き出しが積み上がり、故障などで苦しんだここ2年ほどの状態からも脱することができたのだと思う。

 抑えに転向した04年シーズンの当初、結果が出ない時期があった。試合後、2人で遅くまで球場に残り、議論と研究を尽くした日々を懐かしく思う。その姿勢に、追い抜けないと言われていた記録を塗り替えた源流があったのだろう。ここまできたら1000試合登板! 絶対に届かない領域まで駆け抜けて欲しい。(日刊スポーツ評論家)