ソフトバンクが初回初球に反則投球を取られた西武菊池から序盤に7点を奪う猛攻で、対菊池無傷の12連勝を飾った。リーグトップタイとなる29号を放ったデスパイネら4人が1発を放ち、10得点で今季初の8連勝。貯金は今季最多の40。2位楽天とのゲーム差は今季最大の8・5に開いた。観客動員数も15年に並ぶ最速ペースで、今季58試合目で200万人を突破した。

 獲物を狙うタカは、隙を逃さない。初回、1番川島への初球(空振り)を反則投球にされた菊池の動揺に襲いかかった。2球目からクイックに替えた左腕を一気に攻略にかかる。川島がストレートの四球で出塁。2死三塁から柳田の左翼フェンス直撃の適時二塁打で先制すると、デスパイネが右越え2ラン。さらに2回にも高谷の左前適時打と今宮の左越え3ランで早々と試合を決めた。

 工藤監督は満足顔で振り返る。「ナイスゲーム。最初からしっかりチャンスをつくってくれた。先頭打者に関していえば(動揺は)あるんじゃないかと思った」。30号に王手をかけたデスパイネも「早い回に点を取りたかった。みんながいい打撃をしたから動揺していったんじゃないかな」と、相手左腕の心中を察した。

 追い込まれる前にカウント球の直球を打つ作戦が見事に的中した。この日3安打を放ち、90打点に到達した柳田は「速かったが甘い球が来た。追い込まれたら三振するんで、その前にと思っていた」。これで菊池は今季6敗のうち4敗がホークス戦。プロ入り後、いまだ菊池に白星を献上していない。

 圧倒的な強さを見せつけての8連勝で貯金を40とした。114試合で77勝を挙げ、シーズン換算96勝のハイペース。工藤監督1年目の15年に記録した90勝を上回る勢いだ。2位楽天に8・5ゲーム差をつけた。栄冠へ、振り向くことなく、悠々と飛び続ける。【福岡吉央】