幸せを呼ぶ鳥なのか!? 楽天-西武20回戦(Koboパーク宮城)は、楽天が4点ビハインドの8回裏開始前に、降雨のために中断。同時に鳥の群れがグラウンドに現れ、縦横無尽に飛び回った。雨も弱まりグラウンド整備が完了後も、複数の群れを作って旋回を続けた。58分の中断の後、8回2死満塁からオコエ瑠偉外野手(20)、同二、三塁から岡島豪郎外野手(27)の連続適時打で同点。8回裏終了、降雨コールドゲームで引き分けに持ち込んだ。負ければ3位転落というピンチを完全に打ち消す珍客だった。

 突如現れた鳥の大群が、わが物顔で旋回した。楽天4点ビハインドの8回、降雨のため中断した。珍客の来訪で、裏の攻撃が始まらない。25分後にグラウンド整備が終わり、西武ナインが守備に就いたが、鳥がグラウンドを低空で飛び回り、中堅手の秋山らが身をかがめてよけるなどプレーできる状況ではなかった。鳥を追いやるために、花火を鳴らし、照明を落とした。中断は、58分間を要した。梨田監督も「初めての経験ですね。照明を消したり、花火も打ち上げて。びっくりしましたけど。何とか徳俵で粘ってくれました」とうなずいた。

 鳥が球場から離れ、試合は再開。ナインの集中は途切れなかった。2死から2四球と単打で満塁とすると、打席にオコエが入った。「あんな鳥、初めて」と驚きながら、冷静だった。右翼線への2点適時二塁打で、さらに2死二、三塁と好機を拡大。そして次打者、今季初めて「1、2番コンビ」を組んだ岡島の中前打で、二塁から一気に本塁に生還した。雨でぬかるんだ中、三塁を回ったところでスピードを調整し、豪快にスライディング。同点のホームを左手で陥れた。「ノリに乗って」と喜びを爆発させた。

 負ければ今季初の3位転落だった。今季2度目の6連敗で迎えた3位西武との直接対決。劣勢の中、鳥の大群効果? で踏ん張った。選手会長の銀次も「結果的にいい中断時間となった」と笑顔を見せた。梨田監督も「明日につながると思いたい」とホッとした表情だった。

 今日31日は、天敵・西武菊池との一戦。今季5戦5敗と苦しめられている相手を前に梨田監督は「いろいろとデータはある。今は答えられませんが、明日勝った時に、こういう風な対策をしていたと言いたい」とニヤリとした。試合後、再び鳥は、球場周辺に戻ってきた。吉兆と思い、流れをトリ戻す。【栗田尚樹】