楽天が7得点を挙げてビジター最終戦に快勝した。オリックス25回戦(京セラドーム大阪)で2年目の足立祐一捕手(28)が先制の2点三塁打を放つなど、2安打3打点の活躍で打線をけん引。先発した藤平ら5投手を巧みにリードして無失点リレーを完成させ、攻守に存在感を示した。
右中間を真っ二つに切り裂いた。楽天足立は6回1死二、三塁で迎えた第3打席。1ボールからオリックス岸田の外角への変化球を流し打った。島内、聖沢をホームに迎え入れ、自らも激走で三塁へ到達。「打ったのはチェンジアップです。何とか先制したいところだったので」。決勝打となった先制三塁打に、笑顔を見せた。
それだけでは終わらない。1死から4連打と、敵失につけこんで4者連続生還を果たした9回だ。2死一、三塁で右方向へ2本目の安打をマーク。ダメ押しの7点目を追加した。「マグレです(笑い)。援護できて良かった」。女房役として攻守に登板した5投手を支え、0封リレーを完成させた。
敵地だが“ホーム”だ。「ここはすごく好きな球場です。相性が良いのかもしれないですね」。今季ビジター最終戦は京セラドーム大阪。2年前までパナソニックの社会人選手だった足立にとって、日本選手権の会場でもあるなじみ深い球場。先発藤平は高卒1年目のルーキーだが「本人から、インコースとカーブを使いたいと話があって。ちょっと無謀かなと思うところも、試しながらリードしました」。投手が投げたい球を、抑えられるコースへいざなった。
CS前とあって、チームはさまざまな攻撃パターンを試し、投手陣の状態を見極める時期。梨田監督は「今日はサードまで走る場面も多かったしね。次の塁を狙う姿勢が見られて良かった」と野手陣の積極性を評価した。正捕手の嶋に加え、この日はベテラン細川も昇格し、2年目の足立がCSでスタメン出場する可能性は高くない。だが「試合の流れやアクシデントに備えて、できる準備をやっていきたいと思います」。若手にも、頼れる扇の要がいる。【鎌田良美】