「平成のドクターK」が、最高の形でレギュラーシーズンを締めた。楽天則本昂大投手(26)が、今季最終登板で奪三振数1位だった西武菊池の217個を上回り、キャリアハイの222Kをマークした。これで野茂英雄(近鉄)が90~93年に達成して以来、24年ぶりとなる史上4人目の4年連続奪三振王を確実なものとした。6回無失点で勝ち取った15勝目に花を添えた。

 試合前の時点で、西武菊池とは3個差の214奪三振。仲間から「4個は取ろう」と応援された。初回に今宮を高速スライダーで空振り三振に斬り、次打者の中村晃は153キロ直球で見逃し三振に仕留めた。2回は松田を高め147キロ直球で空振り三振、上林には落差の激しいカーブで空振り三振。中5日で14日のCSファーストステージ西武戦に先発するために予定通り6回で降板。それでも、8Kと軽々と記録を積み上げた。

 則本 個人の記録はどうでもいい。勝ちが最優先。記録は、勝利の後でいい。そうじゃないと、大した選手ではない。

 偉大な記録を打ち立てても、満足することはないと言った。「目標の15勝は達成出来た。でも、最多勝や防御率の部分で1位ではない。結局のところ、勝利に直結しないと意味がない」とエースとしての強い責任感を示した。

 14日から、敵地でCSを迎える。「誰が相手でも、泥臭くても、下手でも勝てればいい」と言い切った。勝利至上主義。1勝につながる1Kを追い求める。【栗田尚樹】

 ▼則本が今季222奪三振とし、4年連続4度目の奪三振王を確実にした。奪三振王の最多回数は国鉄時代の金田10度で、4度以上は7人目。4年以上連続で獲得するのは67~72年江夏(阪神=6年)67~72年鈴木啓(近鉄=6年)90~93年野茂(近鉄)に次いで4人目。則本の今季奪三振率10・76は史上5位、パ・リーグでは90年野茂10・99、15年大谷(日本ハム)10・98に次いで3位。