今季限りの現役引退を決意した阪神新井良太内野手(34)が11日、西宮市内の球団事務所で引退会見を行った。(以下は会見でのやりとり)

 

 (自ら切り出して)

 新井 私、新井良太は今シーズンを持ちまして引退をさせていただきます。

 -昨日の試合を振り返って

 新井 正直、安藤さんの引退試合ということでしたので、僕は本当に目立たないようにと言いますか、こっそりやろうと思っていたんですけど、本当にみなさんにああいう風に送り出してもらって、感謝しかない。

 -最後は安藤投手と場内1周

 新井 申し訳ない気持ちと、あとはファンの方にありがとうと感謝の気持ちを示せて、本当に良かったです。

 -昨日は甲子園でプレーしたことを実感した

 新井 先ほども言いましたけど、安藤さんの引退試合で申し訳ない気持ちと、泣くのを我慢するのに必死でした。

 -打席に向かうときもウルっときていたように…。

 新井 いろんなこと、思いが走馬灯のように頭を駆けめぐっていたんで。まあ、ほんと、泣くの我慢するのに必死でしたね。

 -今も?

 新井 今はスッキリしてます!

 -安藤投手が投げているときに素晴らしいファインプレーがあった

 新井 そうですね。安藤さんは公私ともにお世話になってまして、すごいああいう風にボール飛んできて、たまたまですけど、処理できたのは運命とは言わないですけど、スゴイ巡り合わせだなと思った。

 -2打席を振り返って

 新井 まっすぐを投げてくれたんですけど、打てなかったんで、だからダメなんじゃないですかね(笑い)。なんとかホームラン打ちたいと思ったんですけど、ダメでした。

 -胴上げもあった

 新井 福留さん、トリさんが言ってくださって、ああいう形になったらしいんですけど、ほんと先輩、後輩、感謝しかないです。

 -悲鳴に近い女性の声援もあった

 新井 どうでしょう。ファンの方あってのプロ野球とずっと思ってやってきた。改めて野球をやらさせてもらったっていう、やらせてもらったという感謝しかない。

 -改めて引退を決意した理由

 新井 1年1年が勝負というのはこの世界はもちろんそう。今年は一番強い覚悟を決めて臨んだというか。そういうシーズンでしたので。腹をくくったシーズンでした。

 -今年はどういうシーズンだった

 新井 いい意味でいろんなことを考えさせられましたし、経験できたシーズンでした。

 -まだ出来るという声も

 新井 やっぱり、数字のね。ケジメをとらないといけないのかなという気持ちでした。

 -自分で決断

 新井 プロ野球選手というのは1軍の舞台にいて、そこで結果を出してなんぼだと思う。

 -家族の反応

 新井 一番最初にこういう相談をしたのは兄だった。7月、オールスター明けくらいから。兄(貴浩)は本当にお前が決めたらいい。それをやるやらん、どちらにしてもお前が決めたらいいと。親身になってくれた。両親はもうちょっとやってほしそうだったですけど。それも兄がお前の人生なんだからお前が決めたらいいと言ってくれた。

 -改めて兄はどういう存在

 新井 自分の一番の味方であり、兄の一番の味方は自分だと思っている。

 -阪神での思い出

 新井 2011年の秋のキャンプで片岡さんに付きっきりで指導していただいて、12年にちょっと試合に出させてもらったので。本当に感謝している。これでダメだったら、もういいと思えるくらい教えていただきましたし、この人の言うことに付いていこうという方だった。

 -昨シーズンからまた同じチームでプレーすることに

 新井 去年、今年と思うように結果を出せなくて申し訳ないというか、もっと自分が打って恩返ししたかった。

 -金本監督の反応は

 新井 おう、そうか、分かったっていう感じだった。

 -驚いていた

 新井 いや~。感じ取っていた。たくさん言葉はなかったですけど、雰囲気で会話じゃないですけど、ありましたね。

 -思い出に残る試合

 新井 サヨナラとか、サヨナラヒット、サヨナラホームランとかスゴイ印象的ですし、兄と一緒にアベックホームラン打ったのも印象的なんですけど、やっぱり昨日の試合が一番…一番です。

 -温かいファンの声援が印象的だった

 新井 あんな大声で良太、良太と言ってくださって、本当に選手冥利(みょうり)に尽きます。暖かさしか感じなかった。

 -阪神でのプレーを改めて振り返って

 新井 つらいこと、苦しいことがほとんどでしたけど、甲子園でプレーできること、タイガースファンの大歓声の中でプレーできるお立ち台に立てるという、そのことを励みに頑張って来れたし、それがあったから頑張ってこられた。

 -チームメートには

 新井 監督、コーチ、裏方さん、チームスタッフのみなさん、そして先輩、かわいい後輩たち。ほんとにみんなによくしてもらって。こんなに良くしてもらっていいのかなという7年間でした。

 -昨日はチームメートにも声を掛けられたか

 新井 そうですね。守備就く前にね。鳥谷さんがキャッチボールやろうぜと。鳥谷さんから言ってくれて。一番お世話になった方なんで。後輩はなんか。涙堪えてるのを気まずそうに見ていた(笑い)。

 -新井良太といえば声を出して元気な印象

 新井 下手くそで不器用で、それだけでやってきた。そのプレースタイルは最後まで貫けたんじゃないかなと思う。

 -片岡コーチは良太の声が戦力だと

 新井 声とか気持ちとかで結果が出るほど、プロ野球は甘くないというのは分かってますけど、それがないと戦うことが出来ないと自分は思っている。最後までやり遂げた。

 -一夜明けこの日を迎えて

 新井 本当にスッキリしている。みなさんのおかげで。

 -今後

 新井 本当に何も決まっていないのでゆっくり考えたい。

 -ファンのみなさんに

 新井 12年間ですね。中日ドラゴンズでは5年間、阪神タイガースでは7年間。こんな僕をですね。たくさん応援していただいて、励ましていただいて本当にありがとうございました。最高の12年間をみなさんのおかげで送ることが出来ました。本当にありがとうございました。