宮本流の燕改革が始まった。ヤクルト宮本慎也ヘッドコーチ(HC、46)が3日、愛媛・松山市内で行われている秋季キャンプに合流した。「しんどいのがキャンプ」と話し、現役引退した13年以来4年ぶりとなるユニホーム姿で午前9時から午後8時まで濃密な練習を引っ張った。

 言葉で緊張感をもたらした。合流後のあいさつで「隣にいる人はみんなライバル。同じポジションの人がけがをしたら喜ぶぐらいじゃないとプロの世界でやっていけない」と叱咤(しった)した。執念を持ち何が何でもレギュラーを取る気持ちを持ってほしい。その思いがバットに乗り移った。午前11時過ぎからのノックで間断なく打球を見舞った。

 一、二塁、遊撃、三塁の4カ所で2人1組が受ける。約5秒ごとに打球を放ち、休む間はほぼない。12分1セットが終わり、山田が座り込むとゲキを飛ばした。「ケツつけて座るな! ここグラウンドやぞ!」。練習後、山田は「過去1番の練習だと思います」とつぶやいた。

 午後は13カ所に分かれて一斉に打撃練習。ソフトボールを打ち、重さ10キロのベストを着込んでロングティーを行うなど多種目で飽きさせずに2時間半休まずに振り込んだ。打撃後は内野手は軟式球を使って、ショートバウンドの捕球の特守。みっちりと指導した。

 宮本HCは練習を振り返り「個々の力を上げるには秋は絶好の機会。歯を食いしばって頑張ってほしい」と期待した。狙いは量をこなし、無意識でも動けるように体に染みこませること。緊張感と練習量たっぷりの日々が続く。【島根純】