日本ハムが、今季限りで巨人から戦力外通告を受けた実松一成捕手(36)を獲得することが27日、分かった。兼任コーチなどを含めた、指導者の肩書も用意する見込み。実松は98年、球団史上初のドラフト1位捕手として日本ハムに入団。06年に交換トレードで巨人に移籍したが、来季は12年ぶりに古巣復帰する。

 日本ハムが北海道に本拠地移転した当初を知る、貴重な存在が帰ってくる。06年まで日本ハムに在籍し、今季限りで巨人を戦力外になった実松が、古巣に復帰することになった。正捕手の大野がFA権行使により退団する可能性があるチーム事情もあり、球団は経験豊富な実松の調査、獲得を進めてきた。兼任コーチなどを含めた、指導者の肩書も用意する見込みだ。

 12年ぶりの復帰となる。98年ドラフトで、松坂大輔(前ソフトバンク)の外れ1位ながら、球団史上初の1位指名捕手として入団。01年から出場機会を増やし、02年には開幕スタメンに名を連ねて、自己最多82試合に出場した。06年開幕前に、古城とともに岡島との2対1の交換トレードで巨人に移籍した。巨人では、長らく不動の正捕手だった阿部を控え捕手としてサポート。常勝チームを献身的に支えてきた。12年ぶり復帰となる来季は、その手腕が期待される。

 今季のチームは、投手・野手の精神的支柱であり続けたベテランが、チームを去った。守護神として黄金期を支え続けた武田久は、社会人野球の名門・日本通運で兼任コーチとして再スタートを表明。今季限りで現役引退した守備職人の飯山は、2軍内野守備コーチに就任した。04年の本拠地移転時を知る選手は田中賢のみとなっていたが、復帰の実松が加わる。

 日本一奪回を目指し、若手の台頭で活性化を続けるチームに、「松坂世代」のベテラン捕手が戻ってくる。