【ホノルル(米ハワイ州)11日(日本時間12日)=石橋隆雄】ソフトバンク工藤公康監督(54)らコーチ、選手らの一行が優勝旅行先のハワイに到着した。今年の漢字が発表されたこの日、指揮官は連覇へ向けた思いを「真」という漢字1文字に表した。今年の圧倒的な日本一をベースに、来季も日本一を奪うことで「真」の強さをチームにつけてほしいという思いから、この字を選んだ。

 迷いなく、しっかりとした筆跡で工藤監督は「真」という文字を書いた。京都・清水寺で今年の漢字「北」が発表されたのとほぼ同時刻、京都から6575キロ離れたハワイで工藤監督が今年、そして来年も表す字を公表した。「来年も日本一を目指すためには真の強さ、真の日本一がいる。勝ち続けないと強いとは言えない」と選んだ理由を明かした。

 今季はプロ野球史上5位の94勝をマークし2年ぶりにリーグ優勝。CS、日本シリーズでは接戦を演じながらも最後は競り勝った。「今年というより、さらなる日本一を目指して」と、今年を振り返りながらも来年への思いを込めた。

 今季は6回終了時点でリードしていた試合は76勝3敗と強力リリーフ陣で白星を重ねた。「一番安定するのは、投手陣が安定すること。今年が100かというとケガ人もあったりでそうではない」。和田、武田、千賀と先発の柱を故障で欠く時期も長かった。来季は先発陣も含め、万全の投手陣を編成したいという強い思いを今オフ初めて見せた。

 「みんなが勝ち方を理解すればベンチは楽」。今季の強さを来季も継続し、選手たちだけで状況判断ができる完成されたチームにすることが、真の強さ、日本一連覇につながる。

 ハワイV旅行初日となったこの日は三女と次男をつれて買い物に出かけた。夜のパーティーでは「こうやってハワイに来られてうれしい。この幸せがいつまでも続くように、また来年ここに来られるように」とあいさつした。今年の優勝の喜びに浸るのは、このハワイが最後。就任1年目の15年に優勝したが、16年は日本ハムに11・5ゲーム差を大逆転された。「真」の王者になるために、同じ失敗は繰り返さない。