赤をまとって、明るく復活ロードを進む。15年10月の右股関節手術からの完全復活を目指す巨人杉内が、来季は道具を「赤」でまとめる。プロ17年目に向けて、今月は鹿児島でミニキャンプを張るなどストイックなオフを過ごす37歳は「(現役生活の)残りは短いんだから、最後は楽しく明るくいきましょうということですね」と、気負わず、まい進する決意だ。

 マウンドに戻りたいという執念は“商売道具”の配色に込められていた。契約するアシックスと、すでに来季の野球用具の打ち合わせを終えた。操作性アップのために5ミリ小さくした黒のグラブは、ひもの色だけ赤に変更。バッティンググラブは従来通りの赤。バットも今までの黒から赤に変えるなど、野球用具に情熱的な赤色をちりばめた。

 小6の息子からは「お父さん、もう1回投げてよ」と、お願いされているという。「2年以上投げていないので、1軍で投げていたのを全く覚えていないんですね」と苦笑いするが、愛息の“おねだり”はこれ以上ないパワーの源だ。「マウンドで投げないと話にならない」。燃える闘志を内に秘め、来季こそ、杉内がマウンドで最高の笑顔を見せる。【浜本卓也】