中日のドラフト5位伊藤康祐外野手(17=中京大中京)が、星野仙一氏のような燃える男を目指す。7日、ナゴヤ球場の一塁側ベンチ前で約1分間の黙とうをし、新人合同自主トレを開始した。半旗の球団旗のもと、始動した。

 星野氏とは縁がある。同氏の支援する日本選抜「チーム星野」に2学年上の兄寛士(法大)が10年に選出され「カル・リプケン12歳以下世界少年野球大会」に出場した。小学5年だった伊藤康は家族と米国で応援。ホテルの前で遊んでいると、同氏に「キャッチボールやるか」と声を掛けられた。「当時は分からなかったですけど、中学に入って本当にすごい人とキャッチボールしたんだと実感した。『いい球を投げるな』と言ってもらったし、アドバイスもいただいた」。

 2年後には自分が選ばれ、楽天監督となった闘将に京セラドーム大阪で激励された。そのときもらった「夢」と描かれたサインボールと集合写真は、愛知・蒲郡市内の実家に今も飾ってある。訃報が届いた6日は入寮日だった。「ここ(ナゴヤ球場)でずっと活躍されていた方。入寮の日と重なって、何かあるのかなと思う。まずは自分のことをやっていきたい。熱い男で」と誓った。【宮崎えり子】