今年は打でも貢献だ! 広島岡田明丈投手(24)が16日、マツダスタジアムに隣接する屋内練習場でマシン打撃を行った。投手が自主トレ期間中に打撃練習するのは珍しく、昨シーズン中から1人で極秘トレしていた課題克服に余念がない。本職の投手としての調整も順調。好スタートを切った昨年の経験を生かし、マイペースを貫いていく。

 屋内練習場で最後に1人、マシン打撃を行っていたのは投手の岡田だった。野手のフリー打撃が終わりに近づくと、打撃マシンの前に立った。快音ばかりではない。詰まらされ、打ち損じる場面もあった。それでも黙々と30分間、バットを振り込んだ。

 「(投手は)投げておけばいいという感じだと思うのですが、少しでもチームの流れに加われるように。バントでないケースでも、ただ立っていればいいわけではないと思うので」

 自主トレ期間中に投手が打撃練習するのは異例。ただ、昨シーズン中も課題克服のためにブルペンで1人、打撃練習を続けてきた。成果は数字に表れ、入団1年目の一昨季に1割を切る7分4厘だった打率が、昨季は1割2分8厘に上昇。8打点は広島投手陣で最多だった。相手投手に警戒心を与えるためにメジャーリーガーをまねた構えにするなど、打撃への研究心は強い。

 本職の投球でも順調な調整ぶりをうかがわせた。昨秋キャンプでは投球フォームに試行錯誤したが、「感覚は(イメージに)近いものがあるので、精度を良く、シーズンに向けてやっていけたら」。オフに方向性は定まった。キャッチボールでは最長60メートルの遠投で低いライナーで伸びる軌道を描き、チームメートから感嘆の声を受けた。

 今オフもマイペース調整を貫く。今月3日に母校・大商大で始動し、遠投で肩を作っていく。ブルペン入りは今月末を予定。昨季5月までに5勝を挙げた調整法を今オフも継続する。「自分のペースでやっていければ。考えすぎることなく、自信を持って投げられるようにしたい。1年間投げられるように、がっちりした土台を作っていきたい」。投手としての調整はもちろん、打撃の練習も怠らない。今季3年目の右腕に、主戦となる自覚が芽生えつつある。【前原淳】