1軍キャンプに抜てきされた楽天ドラフト6位の西巻賢二内野手(18=仙台育英)が1日、初日から大物ルーキーぶりを見せつけた。午後の練習では渡辺直人内野手(37)今江年晶内野手(34)銀次内野手(29)の班に振り分けられても、動じずにプレー。守備を高く評価していた梨田昌孝監督(64)からは打撃も称賛された。居残り練習もこなし、初日からフルメニューを消化するなど、上々のスタートを切った。

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 かつて同じ背番号67を背負った銀次を前にしても、西巻は動じなかった。午後から同じ班で一緒に打撃練習を行い、堂々と自分のプレーを貫いた。「ユニホームを着て実際に動くと、緊張感が全然違う。一連の雰囲気で良い経験させてもらっている。この雰囲気に慣れながらやっていきたい」。1軍招集は急だったか、との問いにも「戸惑いはなかった」とキッパリ。強心臓ルーキーが胸を張った。

 高卒世代最高の守備力は当然のごとく、この日は銀次を意識しながらマシン打撃で快音を響かせた。左右で立つ打席は違うが「バントの形とか、スイングやどういう意識だったり。見て学ぶことが多かった」と偉大な先輩からヒントを得ていた。その西巻に「緊張しているか」と声を掛けたのが梨田監督だった。1年目ながら臆せず振る打撃を目の当たりにし、指揮官は相好を崩した。

 梨田監督 非力だと思ったけど、ちゃんと打ち返していたし、守備もしっかりしている。今後が楽しみ。バントやセーフティーなど、細かいことができる選手になってほしい。

 梨田監督の高評価を伝え聞いた西巻は素直に喜んだ。「初日だったので、しっかり振れているかと疑問はあったけど、もっと振れるように力を付けていきたい」。この日、通常メニュー消化後は、ドラフト3位の山崎剛内野手(22=国学院大)とともに居残り練習で汗を流した。「先輩方にも声を掛けていただいている。最年少らしく、周りを見ながら行動したい」。堂々と宣言する西巻の目は、輝いていた。【高橋洋平】