右膝も心も折れないリードオフマンになる。DeNA桑原が13日、黙々と振り込んで春季キャンプ第3クールを締めた。全体練習終了後は、ティー打撃と日課のマシン打撃で打ち込み。「自分の力をどれだけ上げて、チームの力になれるか。それだけです」と引き締めた。

 昨季は不動の「1番中堅」として初の全試合出場。日本シリーズ進出に貢献したが、打撃の安定感に課題を残した。今キャンプでは、バットを振り出す際に右膝が内側に折れるクセの修正に着手。がに股打ちを試すなど「確実性を上げるために意識してやっています」とうなずいた。

 昨年の苦い記憶が根底にある。ソフトバンクとの日本シリーズ。第3戦までの13打数無安打を含む、打率1割5分4厘に沈んだ。「本当に大きな経験になりました」。悔しさを味わうと同時に1番としての心構えを再認識した。「ほんの少しでも弱気になったら仕事はできない。心が折れたらダメ。今年もその気持ちは同じです」と力を込めた。

 ラミレス監督からは、すでに開幕スタメンを明言されているが「(意識は)ゼロです」と慢心はみじんもない。いかに塁に出るか。その一点に集中し、自らのレベルアップだけに励む。今季から新たに背番号1を背負い、折れない鋼の1番打者となる。【佐竹実】