開幕ローテ5番手へ前進! 阪神岩貞が本来の持ち味を発揮し、及第点の投球を披露した。巨人戦の4回から登板し、5イニングを4安打1四球で2失点。「1球目から腕を振って、対打者でしっかり投げられた」。全力で腕を振り切るスタイルを貫き、8奪三振で首脳陣に猛アピールした。

 最初の2イニングは完全投球した。6回1死一塁から3番ゲレーロに左越え2ランを浴びたが、これは低めに制球したスライダーをうまく運ばれてのモノ。「ここに投げたらダメだというのが分かった。次回に生かしたい」。ある程度納得できる被弾は今後の糧にするだけだ。

 現状、小野や才木らと開幕ローテの先発5、6番手を争う立場。前回4日ソフトバンク戦では2回無失点と好投したが、この日は同じ左腕のルーキー高橋遥に先発マウンドを譲っていた。プライドをくすぐられる状況で、粘りの投球を見せられた意味は大きい。

 金本監督は「だいぶ、らしさが出てきたんじゃないかと思う。丁寧にいくところと思いきり腕を振るところと、投げ分けていたんじゃないかと思う」と評価した後に「高橋(遥)のあんな球を見たらさ(笑い)。ちょっと焦っていると思うよ」とニンマリだ。

 16年シーズンには10勝、防御率2・90を記録。実績ではライバルに大きく差をつけている。次回も濃い投球内容を見せられれば、一気に競り合い状態から抜け出してもおかしくはない。【佐井陽介】