開幕アピール弾だ!! 広島の美間優槻内野手(23)が楽天戦(静岡)で、左中間席へ突き刺す18年1号を放った。三塁候補選手のアピール不足が続く中、左腕辛島からのアーチで、首脳陣に強烈なインパクトを与えた。開幕1軍の生き残りだけでなく、左腕小笠原が先発する可能性もある30日の開幕中日戦(マツダスタジアム)のスタメンをアピールする1発となった。

 一時勝ち越しとなるソロは、美間にとって大きな、大きな1発となった。2試合ぶりスタメンで迎えた7回の第3打席。左腕辛島の高めに浮いた失投を見逃さなかった。上からたたいて、左中間席まで運んだ。4日西武戦以来、13打席ぶり安打となる1号で開幕1軍を大きくアピールした。

 「1、2打席でチャンスをつぶしてしまっていたので、自分がチャンスをつくろうという気持ちだった。(相手が)左だったので絶対打ちたいと思っていたので、打てて良かった」

 4回1死二塁では一塁への痛烈なライナーで併殺となった。「(でも)感覚は悪くなかった」。そして次の打席で左腕辛島を撃った。昨季三塁のレギュラーだった安部は、左投手の先発試合で控えに回ることも多かった。代わって出場していた西川はまだ打撃状態が上がらず、打撃好調のメヒアは三塁守備に大きな不安を残す。「左キラー」発揮は大きなアドバンテージ。中日との開幕戦も左の小笠原が先発してくる可能性があるだけに、開幕スタメンアピール弾ともなった。

 オープン戦は昨年から2年連続弾で、15年はヤクルト石川からの1発で初の開幕1軍をゲット。その相性を買われ、石川が先発した開幕2戦目のヤクルト戦ではプロ初スタメンも果たした。だが昨年は開幕まで1軍に残ることはできなかった。「まだダメなところがあるので落とされる。今は安部さんがいないのでアピールしたい」。明日19日にも三塁を争う安部が1軍に合流。2軍降格の危機で、「ラストチャンス」と覚悟して迎えたこの日だった。

 緒方監督は美間の打撃に「1発でしっかり仕留めることができた」とうなずく。オープン戦は残り6試合あるが、戦力の見極めと位置づける試合は少ない。「勝負の年。死に物狂いでやりたい」。鼻息荒い大砲候補が、最後まで三塁争いに食らい付く。【前原淳】