ボスの信頼に快投で応えた。阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)が、7回1失点で宿敵を抑え込み、開幕戦の白星を手にした。許した7安打は全て単打。長打は0。気迫の投球で外国人史上初の4年連続開幕の大役を果たした。

 「監督を失望させる訳にはいかなかったですし、信頼してもらっていることをよく分かってた。とにかくやってやろうという気持ちで頑張りました」

 昨季セ・リーグ本塁打王も圧倒した。緩急をつけ、ゲレーロを手玉に取った。初回1死一、二塁と最初のピンチの場面。敵の大砲に投じた外角高め変化球で見逃し三振。4回、2打席目も、大きく曲がる変化球でタイミングをずらし、三ゴロに封じた。

 「(変化球は)だいたいよかった。カーブが安定しなかったけど、ここぞというところで、間違いなく決まったことがよかった」

 東京ドームは昨年8月10日、巨人戦で阿部の打球を受け、右足骨折で長期離脱に追い込まれた因縁の球場だった。だがすべてのマイナスを吹き飛ばす快投で新しい歴史をつくった。この日の勝利で、開幕戦通算3勝となり、プロ野球外国人で単独トップに浮上した。今シーズン、個人の目標の1つは、バッキーが阪神で記録した球団最多の100勝を抜くこと。あと15勝は十分狙える数字だ。

 「この世で最高のファン」という虎党から、称賛の「ランディ」コールが送られた。最高のスタートをもたらした勢いそのままに、ファンの夢を乗せて白星を量産していく。【古財稜明】