4月4日「獅子の日」は、やはり西武の日だった。3年ぶりの開幕5連勝を引き寄せたのは森だ。4回先頭、ソフトバンク・バンデンハークの高め150キロを右越えに1号ソロ。初回の先制打同様、見逃せばボール球。「良い投手なので積極的に」振った。

 身長170センチの森が、高め速球を上からかぶせフルスイング。しかも、相手は198センチ右腕。30センチ近い差をものともしない。なぜ、打てるのか。嶋打撃コーチは「反応でしょう。(本塁打は)カウント3-1。ある程度、直球に絞れたとはいえ、長身で角度がある投手。ファウルでも、おかしくない。我慢して見逃してほしい面もあるが、1軍は結果」と、たたえた。

 森自身は「パワー投手に苦手意識はないです。(高め打ちは)感覚。どうしたらという意識はないですね」。感覚。反応。それらを裏付けるデータがある。4年前の新人時のテストで「選択反応時間」が抜群だった。特定のランプの色に応じ体を動かすもので、五輪のトップ選手級を記録。里トレーニングコーチは「0コンマ何秒の世界。異常値ではないか、というぐらい速かった」と証言する。

 リードでは、強力打線を1点に抑えた。「良い経験」と、打ったことより喜んだ。【古川真弥】

 ▼西武が15年以来、両リーグ最多となる10度目の開幕5連勝。この日は来日初登板のカスティーヨが勝利投手となり、5勝はすべて先発投手の白星。先発投手がオール白星の開幕5連勝は、優勝した90年(渡辺久→郭泰源→渡辺智→工藤→渡辺久)以来、球団史上4度目だ。