開幕4連敗の悪夢から森中日がやっと目覚めた。新外国人オネルキ・ガルシア投手(28=ロイヤルズ)が巨人戦に来日初先発し、6回2安打1失点と好投、バットでも貢献し、チームに待望の今季初勝利をもたらした。ドラフト1位鈴木博志投手(21=ヤマハ)も8回に登板し、3者三振でプロ初ホールドをマーク。ニューフェースたちが躍動した。

 この瞬間が待ち遠しかった。森監督より8センチ背が高い190センチの大きな孝行息子、ガルシアが開幕からの連敗を4で止めた。

 キューバ出身左腕が巨人打線に立ちはだかった。四球こそ出すが、チェンジアップなど変化球を駆使しながら5回まで無安打無失点。6回1死、坂本勇に初安打を許し、さらに2死二塁からマギーに適時打されたが、最少失点にとどめた。6回104球2安打1失点、7奪三振で大役を果たした。

 「日本での初試合で勝ててうれしい。チームの流れが悪かったが、連敗を止められたことが良かった。ファンの声援が力になった」。妻と娘と3人で祈りをささげて球場入り。2人の前での勝利を素直に喜んだ。

 孝行息子は投球だけでなくバットでも貢献。4回2死一、三塁の場面で打席に立ち、追い込まれた3球目を振り切ると打球は三塁へのゴロ。全力疾走がクロスプレーとなった。判定はアウトだったが、森監督の今季初のリクエストにより、リプレー検証されて覆った。初安打、初打点が記録され、援護点を自分でマーク。「ガキのころはヒットを打ったけど、プロ入りしてからは初めてだよ」と、ガルシア自身も驚く初物づくしの1日になった。

 森監督は「ドミニカ共和国で見たときと同じような投球をした。日本野球ではそう簡単にはいかないと思っていたが」と、“大きな誤算”に笑顔を見せた。12球団で最も遅い1勝目を手にして、やっと息をついた。昨年は引き分けを挟んで開幕5連敗発進だっただけに「去年よりちょっと早く勝てたな。やっと勝てた。本拠地で、ファンの皆さんの応援の前で、勝てて良かった」。待望の白星を得た中日の今季がやっと始まった。【伊東大介】

 ◆オネルキ・ガルシア 1989年8月2日、キューバ生まれ。10年8月に米国に亡命し12年にドジャースと契約。13年9月にメジャーデビュー。昨年はロイヤルズに所属し、8月にメジャー昇格し2試合に登板。191センチ、100キロ。左投げ左打ち。推定年俸5000万円。