走る虎に変貌した。8回に四球で出塁した阪神植田が盗塁に成功。「点差があったので、思い切って初球からいった」。上本、糸井、糸原に続いてこの日、チーム4個目の盗塁だった。13年5月18日のソフトバンク戦で記録した5盗塁以来となる足攻めだ。開幕から盗塁数の少なさが目立ったが、これで合計14盗塁。巨人を抜き、リーグ最下位を脱出した。

 プロ4年目の植田が機動力をもたらした。3回には三塁に転がし、バント安打。6回には右前に運び、マルチ安打。2安打2四球でホームベースを3度踏んだ。「クリーンアップの前にランナーで出ることを意識して、どの打席でも立っている」。4月29日の広島戦から6戦連続で先発出場し、打順はいずれも2番。打率は3割4分8厘で成長を感じさせる。金本監督も「彼が勢いをつけてくれている。守りが素晴らしい」と絶賛した。

 上本が負傷し、戦線離脱の可能性が高い。植田にかかる期待は大きい。【田口真一郎】