869本への第1歩で、新記録を打ち立てた。日本ハム清宮幸太郎内野手(18)が2回、オリックスのディクソンからプロ初アーチを放った。

 清宮は、将来の横綱候補とも接点があった。

 小学生のころは相撲にも取り組んでおり、持ち前の運動能力を生かして、頭角を現しつつあった。小4の時には地区大会で全勝し、東京都大会に進出。都大会では敗れてしまったが、その時の対戦相手は48代横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の三男、同学年の納谷幸之介(18)だった。

 納谷は当時から相撲界では知られた存在で、清宮から声をかけて記念撮影した。土俵をバックに2人とも白いまわし姿のまま、清宮は笑顔で写真におさまった。今も清宮家には、その写真が思い出の1枚として残っている。

 清宮と納谷は、共通点も多い。清宮の父はラグビー界で実績を残し、現在はヤマハ発動機監督。納谷の父、貴闘力は幕内優勝も果たした。2人とも幼少期から注目され、高校で実績を残してプロ入りした。

 この日、清宮はプロ初本塁打で7戦連続安打を記録。納谷は3月の春場所で序ノ口デビューし、7戦全勝で優勝した。ともにプロでも注目されながら、順調なスタートを切った。

 納谷の師匠である大嶽親方(元十両大竜)は、こう言った。「テレビで清宮選手を見て、幸之介とすごく似ているなと思っていました。2人とも高校で頑張っていたし、顔も雰囲気も似ていますよね。清宮選手は野球界を、ウチの納谷は相撲界を盛り上げてくれればいい。今となっては、あの写真、欲しいですね(笑い)」。

 あの日、少年相撲で胸を合わせた2人は、それぞれの道で輝き始めている。【佐々木一郎】