阪神が中谷将大外野手の快打で今季初のサヨナラ勝利を挙げた。2点リードの8回2死一塁で、継投した3番手桑原が長野に同点2ランを浴びる、痛恨の展開だった。それでも、打線が粘り、9回2死一、二塁で中谷が左前へ決勝タイムリーを放った。お立ち台の中谷は「心臓、バクバクでした。サヨナラを打ったことが初めてだったので、どう喜んだらいいか分からなかったです。ファームにいるとき、鳴尾浜や地方球場に行ってファンの方々が『早く上がってこい』という言葉が励みになりましたし、そうやってファームでやってきたことをしっかりここで出せてよかったです」とホッとした表情だ。

 中谷は昨季はチーム最多の20本塁打を放ったが、開幕前から不調に陥り、長く2軍暮らしが続いていた。金本知憲監督も「最後は相手のリリーフ投手がいいので、難しいかなと思ったんですけど。本当に最後、選手を信じたといいますかね。僕も弱気になってはダメだと。本当に僕自身が、絶対打ってくれるという気持ちでいたので。中谷がよく応えてくれました」とたたえた。

 開幕から中堅のレギュラーが定まらないまま、間もなく5月が終わる。遅ればせながら、将来の大砲候補が、名乗りを上げた。チームは4連勝で再び貯金1に乗せ、3位に浮上した。