「タイシ弾」で首位西武にゲーム差なしに肉薄した。日本ハム大田泰示外野手(27)が「日本生命セ・パ交流戦」中日2回戦(札幌ドーム)の5回先頭で、左中間スタンドへ決勝アーチを放った。自身18試合81打席ぶりとなる11号ソロ。大田の約3週間ぶりの1発で、チームは05年の12試合連発以来13年ぶりとなる2桁10試合連続の本塁打。中日に連勝して貯金も今季初めて2桁「10」に到達し、2年ぶりの首位浮上が見えてきた。

 久しぶりに自分らしい放物線を描けた。大田が一振りで仕留めた。同点で迎えた5回先頭。「とにかく甘い球を強く振ることだけを考えた」。打球はファンが待つ本拠地の左中間スタンドに吸い込まれた。5月11日敵地ソフトバンク戦以来となる決勝の11号ソロ。チームを連勝へ導く一発となった。

 狙っていた。試合前まで両リーグ防御率トップの中日左腕ガルシアの4球目、完璧に捉えた。「追いつかれた場面で先頭が出られればと思っていた。ワンスイングで決められてよかった」と、18試合81打席ぶりとなるホームランを振り返った。昨季の交流戦でも左投手相手に2本塁打。「特に意識はないね」と言いながらも、しっかり結果を残してみせた。

 試合前から未知の左腕攻略に自信を見せていた。「ウチは足が使える。嫌らしさを出して、つないでいけば崩せるチャンスはある」。初回から有言実行した。西川の安打に続き、四球で出塁。その後三塁まで進むと、横尾が放った二ゴロで本塁へ突入。体をひねる巧みなスライディングで札幌ドームを知り尽くす捕手大野奨のタッチをかわし、左手の先でホームをタッチした。

 大田の11号で、チームは5月23日から10試合連続となる本塁打をマーク。栗山監督は「タイシらしいスイングが出ることが大事。自分のスイングをすれば本塁打が出やすいのは間違いない」と評した。ここ10試合、17本塁打の豪快な一発攻勢で8勝2敗と大きく勝ち越した。開幕から首位を守る西武とはゲーム差なしとなり、勝率で4厘差まで肉薄した。「キャプテン(中田)を後押しして勝てるように頑張りたい」。打線を上昇気流に乗せる2番大田の存在がチームにとって必要不可欠だ。【山崎純一】