ロッテが、下位打線トリオの活躍でセ・リーグ首位の広島に競り勝った。7番井上は試合前打率28位(2割3分2厘)、8番鈴木は26位(2割3分4厘)、9番田村は29位(2割3分1厘)。2日時点でパの規定打席到達者は35人とそろって下位に低迷していたが、2点を追う6回に3人の連続安打で逆転した。

 2死三塁から、まずは7番井上の中前適時打で1点差に迫る。続く8番鈴木は右翼フェンス直撃の同点適時三塁打。さらに9番田村は外角低めのスライダーに食らい付き、左中間へ決勝の適時二塁打を放った。

 お立ち台に上がった田村は「僕より打率の低い大地さんが前にいるので、気持ち良く打席に入りました」と“先輩いじり”で笑わせた。この日の2安打で打率は2割4分となり、鈴木を上回った。「昨日から大地さんに『打率上』と言われていたので、今日抜いたので(次戦が行われる)明後日まで言い続けてやろうと思います」と笑った。井上、田村と“打率争い”を続ける鈴木も「自分の中では励まされてると思っている。下位打線で盛り上げていきたい」と燃えている。

 これで、チームは3カードぶりの勝ち越し。井口監督は「7、8、9番の打撃が下降気味だったけど、これで本人たちも上を向いてくれる」と喜んだ。試合後は、井上と鈴木が26位タイ、田村は22位に浮上した。【前田祐輔】