プロ野球を対象としたスポーツ振興くじの導入が見送られる公算が大きくなっていることが4日、関係者の話で分かった。日本野球機構(NPB)は、超党派の国会議員でつくるスポーツ議員連盟から導入の可否について検討を要請され、議連側と意見交換を重ねたが、条件面で隔たりが大きいという。ただプロ野球側は交渉の窓口を閉ざす考えはないとしている。

 4日、東京都内で行われたNPBの理事会で「野球くじ」の議論を進める中期経営計画小委員会から報告があり、井原敦事務局長は「進展はない」と説明した。

 関係者によるとNPB側は、くじの売り上げにかかわらず一定額を受け取ることを強く要望したが、認められなかったという。また、一部球団からは助成金を受け取ることで文部科学省の関与を受けることに否定的な声が上がっていた。NPBは野球振興策の積立金があと数年で底をつく現状があり、昨年の5月に議連から要請を受けて財源の一つとして導入の可否を検討していた。

 プロ野球は2015年にもスポーツ議連から要請を受けたが、1969年に野球賭博に絡む八百長が発覚した「黒い霧事件」の反省から賭けの対象となることに抵抗感が強く、15年7月のオーナー会議で否決。同年10月に巨人の選手による野球賭博への関与が発覚したために議論は立ち消えになった。