阪神が苦境に立たされた。守護神ラファエル・ドリス投手(30)が14日、体調不良のため出場選手登録を抹消された。救援陣の軸を欠いたチームは、「日本生命セ・パ交流戦」日本ハム戦でも完敗し、5位に転落。今季最多タイの借金3となった。新外国人候補のエフレン・ナバーロ内野手(32=カブス傘下3Aアイオワ)とは近日中に正式合意の予定で、来日も間近だ。上昇気流を巻き起こしてくれ。

 薄暗い札幌ドームのベンチ裏。敗者の列にドリスの姿はなかった。守護神離脱という苦境に立たされ、虎は3-11と惨敗した。頼みの綱、先発秋山は7回途中を自己ワーストの8失点で降板。想像を絶する悔しさを必死で押し殺しながら、「次、頑張ります」と言葉を絞り出すしかなかった。

 全体練習が始まった直後、ドリスの出場選手登録抹消が公示された。前日13日は体調不良を訴えて宿舎で静養。39度台の高熱が続き、熱が引くまで数日かかる見込みから、抹消を余儀なくされたという。守護神が突然消え、ベンチ入りメンバーに外国人選手が1人もいない異例の事態。この日まで防御率2・09だった秋山の右腕にかかる期待は高まったが、熱い感情は結果に結びつかなかった。

 守備陣にミスも飛び出す中、序盤は耐え続けた。だが4失点で迎えた7回、1死から3連打1四球でマウンドを譲り渡す。2番手守屋も踏ん張れず、まさかの大量失点で今季6敗目。金本監督は「今日はちょっと球自体がいっていないように見えたね。キレというか。スピードガンも出ていなかったし。その中で粘ったなという印象はあったんですけどね」と分析した。

 借金は今季ワーストタイの3まで膨らみ、リーグ2位から5位に転落。そして何より、ここまで16セーブの守護神が24日広島戦まで再登録できない事実が痛い。指揮官は藤川、桑原を軸に代役を据える方針を示唆した上で、調子を取り戻しつつある打線のさらなる奮起に期待した。

 金本監督 こういう時こそ打線がね。今まで投手にお世話になっているんですから。打線はなんとか上向いてきているんで、そういう試合ができれば、逆にもっと波に乗っていける。

 獲得を目指す新助っ人候補ナバーロとの正式合意はもう間近。踏ん張りどころだ。一丸となって乗り切るしかないことは、ナインの誰もが分かっている。【佐井陽介】