実戦デビュー即昇格準備OKだ。阪神の新外国人エフレン・ナバーロ内野手(32)が、ウエスタン・リーグのソフトバンク戦に3番中堅で先発出場。来日初実戦で初安打初打点の鮮烈デビューを飾った。5回無死二塁で迎えた第3打席。ソフトバンク野沢の136キロ直球をコンパクトなスイングで捉え、鋭い打球を中堅フェンスにぶち当てた。

 「2ストライクでしたけど、なるべく真ん中に来た球を打とうと心掛けていた。いいところに飛んでくれた」と顔をほころばせた新助っ人。その後の2打席では四球を選び、選球眼もアピール。この試合での空振りゼロが示すように、バットに当てる技術は高く、メキシコ代表として2大会連続WBC出場、3A通算打率3割超の実力は確かだ。矢野2軍監督は「強引さがなく自分の形を持っている。上(1軍)が早く欲しいなら、この1試合で(1軍に)行ってもおかしくない」と早期の1軍昇格にもGOサインを出した。

 守備では器用さも見せた。あまり経験がないという中堅で3度の守備機会を難なくこなし、「まだ若いので出来ると思う」と自信をのぞかせる。7回から本職の一塁に移ると、捕手の構えを見て守備位置を調整。冷静な読みがさえ、8回には栗原が放った一、二塁間への鋭い打球を飛びついて好捕。藤本2軍守備走塁コーチも「器用でグラブさばきやハンドリングがうまいタイプ」と感嘆した。

 今日27日も2軍で調整する見通し。だが、バットで守備で存在感を示したナバーロが、虎の起爆剤となる日は遠くなさそうだ。【吉見元太】