八戸学院大(北東北2位)が5-0で日大工学部(南東北5位)を下し、準々決勝進出を決めた。身長190センチの大型右腕・神戸剛(2年=東海大市原望洋)が、7安打6奪三振で大学公式戦初完封を飾った。

 力勝負で大きな試練を乗り越えた。神戸は4点リードの8回無死満塁で、4番から空振り三振、遊飛、空振り三振に仕留め、窮地を脱した。正村公弘監督(54)は「点を取られるまで代えるつもりはなかった」。完投自体も初めての神戸は「1人で投げ切るつもりでした」と信頼に応えた。

 リーグ戦は1年秋の第1週(岩手大戦)でベンチ入りも、まだ登板機会はない。高校では同期の島孝明(20=ロッテ)、1学年下の金久保優斗(18=ヤクルト)の陰に隠れる存在だった。長身に加えて体重95キロの体格。まだ最速は140キロ前半ながら、自慢のフォークとスライダーに加え、大会前にツーシームを習得。投球の幅を広げた。

 神戸のフォークを生かすため、正村監督は「体を張って止められる」と、女房役には公式戦初マスクの小野田未樹捕手(3年=住田)を抜てき。その小野田は「自分が止めてやるから思い切って投げろ」と、励ましながら好リードした。プロ志望の神戸は「自信になりました。変化球のキレと精度を磨いて、(球速)150キロを目指したい」と、秋のリーグデビューを目標に掲げた。【佐々木雄高】