鉄腕が、また新たな偉業達成に王手をかけている。日本ハム宮西尚生投手(33)が、巨人山口鉄が持つ歴代最多273ホールドまで、あと1に迫っている。28日、沖縄から札幌へ移動。今日29日からのオリックス3連戦(札幌ドーム)で日本タイ記録達成、さらに更新の可能性も十分ある。

 宮西 ようやくというか、まさかというか…という感じ。(オリックス監督の)福良さんにはルーキーの時にお世話になっている。その人の前で出来るなら、うれしく思いますね。

 新陳代謝が進むブルペン陣で、不動の安定感を誇ってきた。プロ入り1年目から10年連続50試合登板を続け、今季はここまで25試合登板で防御率1・93。今月15日ヤクルト戦では、巨人山口鉄に続く史上2人目の通算300ホールドポイント(ホールド+救援勝利)に到達した。抑えが石川直→トンキン→有原と変わりながら進化を図る救援陣の屋台骨として支えている。

 もう1つ意識しているのが、あと1試合で達成する通算600試合登板だ。次のマウンドは、球宴にファン投票選出が決まってからの初登板となり“御礼登板”にもなる。「600試合も(ホールド記録と)被っている。ホールド数は持ち越しになるけど、600試合目では失敗出来ない。逆に、ホールドにはプレッシャーがないですね」。日本ハムが誇る中継ぎの要が、節目に腕を振る。【田中彩友美】