阪神が痛い逆転負けを喫し、連勝は3で止まった。陽川尚将内野手(26)の特大3号3ランなど、計3本塁打でヤクルトに快勝ムードだったが、投手陣が崩れた。同点で迎えた7回の守りでは“不可解な判定”にも泣いた。しかし、うっぷんを晴らしてくれたのが、ついに1軍デビューとなった新外国人エフレン・ナバーロ内野手(32)だ。代打で登場した9回に来日初打席初安打。1点差に迫るタイムリーで虎党を沸かせた。

 大乱戦は1点及ばず惜敗。しかし、ベールを脱いだ救世主の一打が、神宮に集った虎党を沸かせた。この日1軍に合流したばかりのナバーロが、2点を追う9回1死三塁の場面で代打で登場。来日初打席で、いきなり右翼へ適時打を放ち、来日初安打初打点をマークした。

 「(声援は)初めての雰囲気でした。ファンがエネルギーを送ってくれている感じがした。感激に近い気持ちです」

 バットを高々と掲げて、振り下ろすスタイル。3球目の145キロ直球には、やや振り遅れての空振りを喫したが、きっちりタイミング修正を施した。ボール球を見極め、選球眼の良さも披露。ファウルで粘りながらカウント2-2まで持ち込む。そして7球目。真ん中低め135キロフォークをバチッとはじき返した。

 「スコアラーが事前にどういう投手か教えてくれた。情報があったので、しっかり心の準備ができました。フォークの情報もあったので、頭を整理して打席に入れた」と周囲のサポートに感謝しながら、配球をイメージしていたことを明かした。

 クレバーさを見せるのはグラウンドだけではない。17日に行った入団会見では知っている日本語を聞かれ、真っ先に「ミズ(水)」と答え、「(日本語も)徐々に覚えていきたい」と話した。日本の文化、そして日本の投手のデータも貪欲に吸収しようとする姿勢が頼もしい。悔しい敗戦の中、金本監督も「期待しています」と新助っ人への手応えをにじませた。【真柴健】