代役4番が意地の一打を放った。糸井の骨折離脱により、2戦連続で4番に座った阪神陽川が、金本監督の起用に応えた。

 4点を先制された直後の1回1死一、三塁。カウント2-2からの5球目、中日小笠原が投じた外角低めの127キロチェンジアップにうまく対応した。バットを折られながらも、打球は左翼の芝生に弾んだ。

 「どの球がきても打てるようなタイミングで待っていた。結果を求めていくだけです」

 金本監督は「あとは一番苦手とする速い球への対応ができたら、もう少し、もう1歩、前進とは思うけどね」と期待が大きいからこそ注文をつけた。これで6月29日ヤクルト戦(神宮)から4戦連続打点。得点圏では28打数14安打と驚異の打率5割を誇る。7回にはうまく流して右安打。今季8度目のマルチ安打を記録した。「どの打順でもやることは一緒。結果を求めてやっていくだけ」と背番号55は前だけを向いていた。【真柴健】