日本ハムが30日、“ゲンのいい”アクシデントに見舞われた。今日31日のロッテ戦(釧路)に向けて、新千歳空港から航空機に搭乗したが、濃霧による視界不良で釧路空港へ着陸できず。1度新千歳に引き返し、振り替え便でなんとかたどり着いた。予定より3時間近くも移動に要するドタバタ劇となったが、08年には搭乗便欠航で7時間半の陸路移動翌日に、北海道本拠地移転後の釧路初勝利も挙げている。吉兆ととらえ、今年も白星をつかむ。

 徒労感を身にまとい、釧路に着いたのは午後4時54分。予定より3時間も遅かった。中田ら選手は疲労困憊(こんぱい)。それでも選手会長の中島が、地元の女子小学生野球チーム「アクアガールズ」の主将・慶伊栞奈ちゃんから花束を受け取り、和やかなムードで疲れも吹き飛んだ。

 新千歳空港を出発したのは午後1時過ぎ。本来なら45分間のフライトだった。だが釧路空港は濃霧による視界不良。1度は着陸体勢に入ったが、機体は再び上昇した。機長からは時間をあけて着陸をやり直すアナウンスがあったが、約15分の上空待機後、引き返しが決定した。

 振り出しに戻った選手たちは、次の便への予約変更手続き。さらに小腹を満たすために売店へと殺到した。窓口が混雑した影響で定刻の午後3時45分からは遅れたが、後続便は同4時に再び空へ。球団関係者は「あれ(最初の行程)は“アップ”をしに行っただけ。次が本番だから」と、前向きにアクシデントを受け止めていた。

 苦労してたどり着いた先には、うれしい出来事が待っている。08年の釧路開催でも、濃霧の影響で搭乗便が欠航となり、JRへの陸路移動に変更となった歴史がある。当時は約7時間半の長旅だったが、翌日のオリックス戦で、北海道本拠地移転後、釧路初勝利を挙げた。今日31日の先発は有原。昨年は同地で敗戦投手となっており「今年はやり返せるようにしたい」。霧の街・釧路で、今年は晴れやかな勝利を目指す。【田中彩友美】