首位広島は投打がかみ合って中日に快勝した。不動の3番・丸佳浩外野手(29)の先制打など、1回に3者連続適時打。3回までに5点を奪って、今季3戦3敗だった“天敵”ガルシアを攻略した。3連勝で貯金は今季最多19に。今年で開催11年目の「ピースナイター」でコイ戦士が躍動した。

 広島打線が、苦労させられてきた左腕ガルシアを1回から襲った。田中が内野安打、菊池は四球で無死一、二塁。ここで丸がゴロでセンター返しの先制打だ。タナキクでつくったチャンスをマルは逃さない。

 「打ったのはストレートかな。ボールに逆らうことなく、素直に打ち返すことができた。甘い球は積極的にと思っていた」

 これが鈴木の内野安打、バティスタの左前打と3者連続適時打の起点になり、いきなり3点を先制した。ガルシアにはこれまでチーム3戦3敗。丸自身も5打数無安打で4三振を喫していたが、やり返した。苦手攻略に「当然しっかり点を取りたいというのはあった」と胸を張った。3点差に迫られた7回には、3番手の岡田から中前適時打で再びリードを広げた。

 移動日で試合のなかった前日6日には広島市内の銀行を訪問。西日本豪雨の被災者に、義援金として1000万円を個人で寄付した。「僕も広島に11年間いるし、広島で育ったというのがあるので」と理由を語った。千葉出身だが、第2の故郷とも呼べる街に少しでも役立ちたかった。

 そしてこの日は平和を願うピースナイター。「皆さんの前で野球ができることが幸せと感じたし、感じてもらえる試合だったと思う。この気持ちを常に持っていたい。自分の子どもが見に来てくれていたので、いいところを見せられて良かった」と普段より静かな雰囲気のお立ち台インタビューでほほ笑んだ。

 緒方監督はガルシアからの1回3得点にうなった。「ボール球も多いが安打が続く投手じゃない。四球も絡めながら、いかに得点圏に置いた時に積極性を出していくか。そういうところで1巡目からいい攻撃ができた」。阪神が勝ったため、最短の優勝マジック点灯は9日以降に延びた。点灯日としては最速だった昨季8月8日の更新はならなかったが、2位巨人と10・5差は今季最大タイ。3連覇へ揺るぎない地位を着々と築いている。【大池和幸】